きっとあしたはいいてんき

ママ歴 10数年!子育てや日々のできごとをつづります!

総肺静脈還流異常症

 

生まれたばかりの娘が、救急車で大きな

病院に運ばれて行きました。

 

その少し前に、赤ちゃんの状態がおかしいと

主人が呼ばれ、説明を受けていたようです。

私にどう伝えるべきかも、話し合われていたと

あとから聞きました。

 

私は産後すぐの体で、ベッドで泣くことしか

できず、

これからどうなってしまうのか、

何で私の子が?

不安、疲労、混乱、孤独、悔しさ、

そういった感情で横になっていました。

 

しばらくすると、

先生と看護師さんが来て、

「お母さんも行きますか?

本当はこの状況で動くことは望ましくないけど、

ここにいても不安でしょ?」

と言ってくれました。

 

行きます

 

父と母が付き添ってくれ、

私は車の後部座席に横になって

娘がいる病院まで行きました。

 

手術は始まっていて、

私は主人や両親と一緒に家族控え室に

いました。

あの部屋にあった時計が、

カチカチと音のする時計で、

し〜んと静まりかえった部屋の中で、

余計に緊張感を増していました。

 

手術に何時間くらいかかったのか、

はっきり覚えていません。

途中、猛烈に眠気が襲ってきて、

「娘が生きるか死ぬかで頑張っているときに

私は何で眠くなってしまうんだ…」と

自分を責めていたのを覚えています。

今 思えば、24時間以上かかったお産だったので

無理もないですが。

 

手術が終わって、

主人と一緒に先生の説明を聞きに行きました。

 

病名は「総肺静脈還流異常症」(TAPVC)

 

頭が混乱状態だったので、この漢字の羅列を

見て余計に混乱しました。

 

先天性心疾患の中でもめずらしい病気だそうです。

妊娠中のエコーなどでも分からず、

経過も順調だったので、

自分が置かれている状況を理解するのに

だいぶ時間がかかりました。

 

娘は下心臓型(Ⅲ型)というタイプで、

手術は成功しました、というお話でした。

手術の成功率は50%だったらしいです。

ただ、つなぎ合わせた部分が狭くなってしまうこともあるので、様子を見ていかないといけません、ということも言われたように記憶しています。

 

NICU(新生児集中治療室)に行くと、

無数の管と機械につながれた娘がいました。

つい何時間か前に生まれたかわいい赤ちゃんが

たくさんの機械の中で眠っていました。

 

あのとき私は涙を流したのかな?

 

感情の記憶があんまりなくて、

もしかしたらぼーっと見つめることしか

できなかったのかもしれません。

 

本当に頑張ってくれました。

生まれた日が、人生の一大事になってしまったのですから。

 

小さな小さな心臓の、さらに小さな血管を

つなぎ合わせてくださった先生にも

本当に感謝しています。

ちょっとコワモテの先生で、最初は面食らったのですが、

本当はとっても子ども想いの優しい先生。

あの先生がいなかったら、今の娘はいません。

 

定期的な検診は欠かせませんが、

娘はいまスポーツもしながら、

毎日楽しく過ごしています。

 

生命力と、あのとき関わってくださったすべての人。

ひとつの小さないのち。

ありがとうございます。