きっとあしたはいいてんき

ママ歴 10数年!子育てや日々のできごとをつづります!

老老介護の現実〜兄弟の場合〜

 

 

 

私の母は兄弟がたくさんいます。

 

 

一番上の兄はひとり暮らしをしていました。

(おじさん、と呼びますね)

 

 

おじさんは結婚していましたが、子どもが

いませんでした。

 

 

おじさんの奥さんは10年ほど前に亡くなりました。

 

 

それから、ひとりでご飯や洗濯の家事を

していました。

 

 

 

 

いま、歳は80代後半。

 

 

数年前から、少しずつおかしな言動が

増えてきたようでした。

 

 

兄弟が多く、近くに何人か住んでいるのと、

親戚のおばさんがたまに様子を見に行くように

していました。

 

 

今年に入って、認知症のような状態になりました。

 

 

波があって、まともなことを言うときもあれば、

 

夜中に起きて大きな音でテレビを見たり、

 

話が通じなかったり、

 

トイレがうまくいかなかったり。

 

 

 

子どもがいないことで、この先介護が必要に

なったときにどうするか。

 

 

母は色々なことを考え、兄弟で話し合う機会を

持ちました。

 

 

兄弟もみな、歳で言えばおじいちゃん、おばあちゃん。

 

できることは限られてきます。

 

末っ子である母が中心になって、

いまできることを探っていったようです。

 

…末っ子とはいえ、母ももう70代。

 

相当しんどかったと思います。

 

 

 

認知症の介護認定申請や、デイサービス、

ショートステイなど、

できることはしながら、

兄弟で順番に泊まったりして、

数ヶ月過ごしていましたが、

 

 

このままでは周りのみんながいつ倒れても

おかしくない、と

母は相当悩んでいました。

 

いろんな壁にぶちあたりながら。

 

まさに、老老介護が抱える問題です。

 

 

子どもがいなかった分、貯蓄はあるけど、

認知症の症状が出ていることで簡単に

お金をおろせなかったり。

 

 

介護認定を申請しても、程度が軽いとみなされ

特養には入れなかったり。

 

これからの時代、こういった問題が日本の

あちこちで起こるんだろうなと

容易に想像できました。

 

おじさんが持っている預金の中で、この先

どれくらい生きられるのかも分からない状態のなか、

母や兄弟が出した結論は、

 

介護付き有料老人ホーム

 

でした。

 

 

「かわいそう」

「周りの人間の体がもたない」

という

葛藤

 

おじさんが入所したあとも、その葛藤が

消えることはなかったようです。

 

 

 

先日、私もおじさんに会いにその老人ホームに

行ってきました。

 

認知症とはいえ、やっぱり知ってる顔を見ると

とても嬉しそうでした。

 

しばらく話してから、

 

帰るね、って言って、握手をすると、

 

少し涙目になったおじさん。

 

ぼそっと、「もうだめだな」と呟いた、

 

寂しそうな顔。

 

 

母もきっと複雑な思いだったと思います。

 

 

 

 

何が正解なんだろう。

 

 

正解なんてないのかもしれないけど、

あのおじさんの表情がしばらく忘れられそうに

ありません。

 

貯蓄があったから、今の老人ホームに

入れたけど、

それも叶わない人もいると思うと、

入れただけでも良しとすべきなのか、とか。

 

 今後、もし要介護度が上がったら、またおじさんの

過ごす環境は変わるかもしれません。

 

 

誰もが幸せな老後を望むけど、

それはきっと簡単なことではない。

 

多くのことを考えさせられた夏休みの

終わりでした。